- しらぬい
- I
しらぬい[シラヌヒ](枕詞)地名「筑紫(ツクシ)」にかかる。
「~筑紫の綿は身に着けていまだは着ねど暖けく見ゆ/万葉 336」
〔従来「不知火」と解されていたが, 上代仮名遣いでは「火」「日」「霊(ヒ)」などが区別されているので, 「領(シ)らぬ霊(ヒ)」と「白縫」などと解する説がある〕IIしらぬい【不知火】夜間の海上に多くの光が点在し, ゆらめいて見える現象。 九州の八代(ヤツシロ)海・有明海で見られるものが有名。 干潟の冷えた水面と大気との間にできる温度差によって, 遠くの少数の漁火(イサリビ)が無数の影像を作る, 異常屈折現象とする説が有力。 しらぬひ。 ﹝季﹞秋。〔景行天皇が肥の国を討伐した際, 暗夜の海上に正体不明の火が無数に現れたという故事がある〕
Japanese explanatory dictionaries. 2013.